今回の記事はお勧め旅行記の話。
古い本なので現代の旅行の参考には全くならないけど、こんなすごい旅行が…という本。
もしかして有名な本なのかもしれないけれども、私は数年前初めて読んで大感激した旅行記。
川口慧海(かわぐち えかい)著 の 「チベット旅行記」という本。
オーディブルでも文庫本でも販売されている。古い本なので青空文庫(無料)でもあるらしい。
明治37年に発表された古い旅行記だ。
川口慧海は大阪出身の禅宗のお坊さんだ。明治時代に宗教の勉強のため、日本人未踏の地、チベットに行くことを決意し、実行した紀行文だ。
素晴らしい本だと思う。初めて読んだ…じゃなかった、オーディブルの朗読を聴いた時、感動した。
なぜ、この本が教科書に採用されていないのか、とすら思った。
昔の本なので文体が古く、やや読みにくいので、最初はオーディブルで聴くのがお勧め。オーディブル朗読でも昔の言葉のままだけど、聞くぶんには方言程度の感じで聴ける。最初は「昔の言葉でちょっとわかりにくいな…」みたいなことが多いのだけれど内容が凄く面白いからグングン引き込まれていき、その昔の文体すらいい味出してる感じになってくる。
当時、新聞連載され大反響を呼んだらしい。リアルタイムで読んだ人の興奮がわかる。
憶測にすぎないが、私の祖父母や母もきっと新聞か本で読んだのではないかと思う。彼らはずっとチベットへの強い憧れを持っていたから。
いつか記事に書こうと思うけど、私は昔、母と一度だけ海外旅行をしたことがあるが、行先はチベットだった。西蔵鉄道の開通する前だ。昔のチベットに行けたのは本当によい思い出だった。
この川口慧海という人は本当にすごい人でハングリー精神があったんだなあ、とか、言語の壁なんかあっという間にクリアするんだなあ、とか、激しく感動し揺さぶられた。書かれている内容が全て事実、ということが驚きの大冒険、真実は小説より奇なり、だ。
チベット人の暮らしぶりの描写もとても面白かった。私が抱いていたチベット人のイメージは信心深く純朴で真面目な感じだったのだけれども、ちょっと違って、超適当な感じだったのも笑えた。今も超適当な感じなのかもしれない。いや、そもそも真面目なところと適当なところのバランスが西洋や東アジア人とは何か違うのかもしれない。

↑チベット密教のタルチョという旗。チベットではそこらへん中にある。風ではためくと、お経を唱えたことになるらしい。その様子は素朴で美しい。
美しい祈り、自然とともに祈る。自分のためと愛する人のために。


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